ものを見るとものが壊れてしまう少年の話
ハッとして目がさめる。嫌な夢を見ていたような気がする。冷や汗がすごい。とりあえず、起きて顔を洗おう一旦落ち着こう。
顔を洗った後、机に向かって紅茶を飲む。すると、家族の中で一番優しい姉さんが机の向かい側の席に座る。心配そうな顔で俺の顔を窺っている。
「大丈夫だよ姉さん。もう誰も彼も傷つけなんてしないから。」
そう言って、角砂糖3つカップに投げ入れてくるくる廻した。今日も、世界は廻ってるんだ。ちょっと安心した。
「俺ね、ケーキも大好きだし、姉さんのことも大好きなんだ。」
銀の匙でソーサを叩いた。すると、周りは姉さんの嫌いなものがたくさん出てくる。
「俺のこと嫌いになったでしょ?」
って聞いたら、少し怯えた顔をしたけど、いつもの優しい笑顔に戻って頭を撫でられた。
そっと年季の入ったロッキングチェアに腰掛けた。この頃、体の調子が悪くて頭がふわふわし、足運びがうまくできなくて、気分がいいとはとても言えない。
ずっと、俺たちが作り上げた旅という物語が、頭の中でテレビに映し出されたような感じで、エンドレスループ再生されている。
紅茶を飲んでいたら、死んだはずの兄さんが向かい側の席に座った。心配してくれてるの?w
なんて言ったら、俺だけには年中反抗モードの彼なので無視された。
「大丈夫だよ。もう誰も彼も陥れたりだなんてしないから。」
角砂糖4つカップに入れてくるくる廻しながら俺は言った。今日も、世界は廻ってる。
「俺ね、ケーキも大好きだし、兄さんのことも大好きだよ。」
金のフォークでカチカチと鳴らしたら、姉さん同様。兄さんの嫌いなものが出てくる。まぁ、あんまり話したこともなかったから、嫌いなものとかよく分からないけどね。
「俺のこと嫌いになったでしょ?あ、兄さんが元から俺のこと嫌いっていうのは分かってるけどねww…じゃあ言い方を変えよう。もっと嫌いになったでしょ?」
って聞いたら鼻で笑われた。そして彼は、紅茶を一口飲んだ。
兄さんが幻覚のようにパッと消えると、今度は清く正しい聖女ちゃんが兄さんがいた席に座ってきた。心配そうな顔をしている。
「大丈夫だよ。もう誰も彼も恨んだり呪ったりしないから。」
そう言って、角砂糖を5つカップに入れてくるくる廻す。安心した。今日も世界は廻ってる。
「俺ね、ケーキも大好きだし君も大好き。」
金のナイフをふわりとかざせば、姉さんと兄さんと同様。聖女ちゃんの嫌いなものがたくさん出てくる。
「俺のこと嫌いになったでしょ?w」
って聞いたら、安心しきった表情でため息をつかれた後であーあ、微笑まれた。
今日のおやつは俺の大好きなケーキだ。ケーキは甘くて美味しくて、とても大好きだ。それと同じくらい、みんなのことは大好き。じゃあなんであんな嫌がらせをしたのかって聞かれると、こんな危険な俺と一緒にいたらいつかは壊れて無くなってしまうのが怖いから。
そう自問自答をしながら、カップに角砂糖を6つドボドボ入れて啜ったら、それを見ていた姉さんは目を丸くした。
「そんなに角砂糖入れたら、風知の身体に悪いのっ!!!!!」
大きな声で言われたものだからびっくりして、カップは床に落としてしまったけれど。すごく幸せな気分になれたような気がする。とても不思議だ。
【風知は心底幸せそうに笑った】
「……そういう姉さんも、角砂糖たくさん入れてるでしょ?w」
「むっ!わっわたっ私はいいのっ!」
「意味わかんないよww」
「だって、風知目隠しを外してから体調悪いし……心配なんだもん…」
「力を制御してるのがしんどいだけだよwそんなに心配しないでww」
「むぅ…だといいけど…」
「(まぁ、心配してくれるのはありがたいかなw)
ありがと、姉さん。」
「む?風知泣いてるの?」
「…ん。嬉しくて」
「泣かないで風知。私だけじゃなくてね、みんな風知のこと大好きなんだから。あんなことあったけど、みんな優しいから。」
「ほんと、どこまでお人好しなんだろうね。あの人たちは。」
「私もそう思う。私だってたくさん酷いことしたのにね。」
「良かったよ。あんなお人好しな人がいて。」
「にひひっそうだね。大切にしないといけないね。」
「うん。」
吸血鬼2人は仲間を大切にしていこうと誓ったのであった。
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ヒスイと、風知の私の中でのCVさん決まりました!ヒスイは前にも言ったような気がするけどw
ヒスイ→井口裕香さん
ロリボイスで可愛いです。井口さん大好きです。
風知→斉藤壮馬さん
透明感のある声から熱血系の声など沢山の声色があって、声優さんって凄いんだな。って改めて思います。斉藤壮馬さんも大好きです。好きなキャラクターの声とかもあてていたので。
ですです。こうだったらいいなーという私の妄想なのでw
いきなり話変わるけど、ブログ更新全然してねぇwwwネタがなかったり、忙しかったりして全然更新できませんでした。ちまちま更新していきたいと思っているので、これからもこんな私をよろしくお願いしますね。