ものを見るとものが壊れてしまう少年の話
ハッとして目がさめる。嫌な夢を見ていたような気がする。冷や汗がすごい。とりあえず、起きて顔を洗おう一旦落ち着こう。
顔を洗った後、机に向かって紅茶を飲む。すると、家族の中で一番優しい姉さんが机の向かい側の席に座る。心配そうな顔で俺の顔を窺っている。
「大丈夫だよ姉さん。もう誰も彼も傷つけなんてしないから。」
そう言って、角砂糖3つカップに投げ入れてくるくる廻した。今日も、世界は廻ってるんだ。ちょっと安心した。
「俺ね、ケーキも大好きだし、姉さんのことも大好きなんだ。」
銀の匙でソーサを叩いた。すると、周りは姉さんの嫌いなものがたくさん出てくる。
「俺のこと嫌いになったでしょ?」
って聞いたら、少し怯えた顔をしたけど、いつもの優しい笑顔に戻って頭を撫でられた。
そっと年季の入ったロッキングチェアに腰掛けた。この頃、体の調子が悪くて頭がふわふわし、足運びがうまくできなくて、気分がいいとはとても言えない。
ずっと、俺たちが作り上げた旅という物語が、頭の中でテレビに映し出されたような感じで、エンドレスループ再生されている。
紅茶を飲んでいたら、死んだはずの兄さんが向かい側の席に座った。心配してくれてるの?w
なんて言ったら、俺だけには年中反抗モードの彼なので無視された。
「大丈夫だよ。もう誰も彼も陥れたりだなんてしないから。」
角砂糖4つカップに入れてくるくる廻しながら俺は言った。今日も、世界は廻ってる。
「俺ね、ケーキも大好きだし、兄さんのことも大好きだよ。」
金のフォークでカチカチと鳴らしたら、姉さん同様。兄さんの嫌いなものが出てくる。まぁ、あんまり話したこともなかったから、嫌いなものとかよく分からないけどね。
「俺のこと嫌いになったでしょ?あ、兄さんが元から俺のこと嫌いっていうのは分かってるけどねww…じゃあ言い方を変えよう。もっと嫌いになったでしょ?」
って聞いたら鼻で笑われた。そして彼は、紅茶を一口飲んだ。
兄さんが幻覚のようにパッと消えると、今度は清く正しい聖女ちゃんが兄さんがいた席に座ってきた。心配そうな顔をしている。
「大丈夫だよ。もう誰も彼も恨んだり呪ったりしないから。」
そう言って、角砂糖を5つカップに入れてくるくる廻す。安心した。今日も世界は廻ってる。
「俺ね、ケーキも大好きだし君も大好き。」
金のナイフをふわりとかざせば、姉さんと兄さんと同様。聖女ちゃんの嫌いなものがたくさん出てくる。
「俺のこと嫌いになったでしょ?w」
って聞いたら、安心しきった表情でため息をつかれた後であーあ、微笑まれた。
今日のおやつは俺の大好きなケーキだ。ケーキは甘くて美味しくて、とても大好きだ。それと同じくらい、みんなのことは大好き。じゃあなんであんな嫌がらせをしたのかって聞かれると、こんな危険な俺と一緒にいたらいつかは壊れて無くなってしまうのが怖いから。
そう自問自答をしながら、カップに角砂糖を6つドボドボ入れて啜ったら、それを見ていた姉さんは目を丸くした。
「そんなに角砂糖入れたら、風知の身体に悪いのっ!!!!!」
大きな声で言われたものだからびっくりして、カップは床に落としてしまったけれど。すごく幸せな気分になれたような気がする。とても不思議だ。
【風知は心底幸せそうに笑った】
「……そういう姉さんも、角砂糖たくさん入れてるでしょ?w」
「むっ!わっわたっ私はいいのっ!」
「意味わかんないよww」
「だって、風知目隠しを外してから体調悪いし……心配なんだもん…」
「力を制御してるのがしんどいだけだよwそんなに心配しないでww」
「むぅ…だといいけど…」
「(まぁ、心配してくれるのはありがたいかなw)
ありがと、姉さん。」
「む?風知泣いてるの?」
「…ん。嬉しくて」
「泣かないで風知。私だけじゃなくてね、みんな風知のこと大好きなんだから。あんなことあったけど、みんな優しいから。」
「ほんと、どこまでお人好しなんだろうね。あの人たちは。」
「私もそう思う。私だってたくさん酷いことしたのにね。」
「良かったよ。あんなお人好しな人がいて。」
「にひひっそうだね。大切にしないといけないね。」
「うん。」
吸血鬼2人は仲間を大切にしていこうと誓ったのであった。
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ヒスイと、風知の私の中でのCVさん決まりました!ヒスイは前にも言ったような気がするけどw
ヒスイ→井口裕香さん
ロリボイスで可愛いです。井口さん大好きです。
風知→斉藤壮馬さん
透明感のある声から熱血系の声など沢山の声色があって、声優さんって凄いんだな。って改めて思います。斉藤壮馬さんも大好きです。好きなキャラクターの声とかもあてていたので。
ですです。こうだったらいいなーという私の妄想なのでw
いきなり話変わるけど、ブログ更新全然してねぇwwwネタがなかったり、忙しかったりして全然更新できませんでした。ちまちま更新していきたいと思っているので、これからもこんな私をよろしくお願いしますね。
ああああああああああモウダメダァァァァ
昨日、LINEで友達と話していたら、いきなり画面が黒くなって「え…」っておもったら、LINEが消えてしまいました。
だから、友達の連絡先も無くしてしまった。と言うわけですw笑うことしかできませんwこんなことあるのかな?初めてなったから分からないけど。
久しぶりの更新がこれってどういうことw
episode4 犯人は…
雷は目を覚ました。目を覚ました場所は学校。自分はもう死んだものだと思っていたから、驚いていた。
「雷⁉︎大丈夫?」
「大丈夫です。でも私どうして…」
「私が、あの人影に攻撃したの。かわされちゃったけど…」
「そうなんですか⁉︎でも、ありがとうございます。」
「うん。お腹刺されたけど、大丈夫?傷は浅かったし、一応手当もしておいたけど…」
よく見るとお腹に包帯が巻かれていた。少し動くと、お腹がズキズキして痛い。
「なんとか大丈夫です。」
「そっか。無理はしないでね?あっ…そういえば、タルトさん自分で死んじゃったって言ってたよね。タルトさんも、もう……」
「あぅ…」
しばらく沈黙の時間が過ぎていた。麗蘭がハッとして雷に言った。
「あのぬいぐるみ落ちてないかな?」
「落としているといいですけど…でもなんで?」
「あのぬいぐるみ、お寺とかで供養してもらったほうがいいんじゃないかなーと思って…」
「ああ、確かに戻ってみます?」
「そうしよう!」
さっき来た道を戻っていく。来た道を戻りながら彼のことを話す。
「風知ってさ、私タメ口で話してるけど、一つ年上なんだよねwそうとは思えないけど。」
「そうでしたね。風知さんは大丈夫なんでしょうか?男の子に追いかけられてそれっきり……」
「そうだね、生きてるといいけど……あれ?誰かいるよ!……ライラさんだ。」
ライラはぬいぐるみをじっと見つめていた。
「あ!あったんだ!ライラさん。それ、雷に返してあげてください。雷が持って来たので」
「私⁉︎……あぅ…あんまり持ちたくないな…」
「……そうね。あなたが持ってた方がいいわ。」
そう言って、ライラはぬいぐるみを雷に渡す。
「あ、ライラさんに聞きたいことがあったんだ!」
「…聞きたいこと?」
「単刀直入に言うと、この事件について知っていることはありませんか?」
そう言って雷はさっきのページを開き、資料をライラに見せる。
「……ああ、これ3年前の…」
ライラは資料を見ながら話し始めた。
「3年前に、この事件に関わった私の弟がいるの。」
「…弟?」
「そう。当時彼は10歳だったわ。この学校、小学校も一緒にあるでしょ?そこに私の弟は通っていたわ。ある夜、いま私たちがやっているこのゲームをするって言っていたわ。私は、そんな夜中に外に出てはダメって言ったんだけど、隙を突かれて出て行ってしまったわ。その日の夜は全然帰ってこなかったの。…それから、この資料の新聞にも載ってる通り、学校で殺人事件が起こったのよ。だけど、私の弟は行方不明。死んではいなかったから、私は探し続けているわ。今でも。」
「…そうだったんだ。」
「……だからこのゲームはしてはいけないって言ったのに…」
ライラはため息をついた。
「……もうすでに、死人も出ているでしょう?」
「…はい。」
「……生き残れること自体、運がいいからね。そうそう、屋上への鍵見つけたんだけど、屋上へいかないかしら?どこにも行くあてないでしょう?」
二人は頷いてライラの後についていく。
屋上の鍵を使って開ける。夜風が当たってとても心地よかった。いまの状況で心地いいというのはおかしいかもしれないが、そう思わないと怖さでどうにかなりそうな気がしたからだ。
屋上の奥に、風知はいた。
「……風知。無事だったのね。」
風知はゆっくりとこちらを振り返った。そして雷たちを見ると、すぐ笑顔になった。
「うん。男の子から逃げて、ずっとここにいたんだ。見つからなくてよかったよ。」
「本当だよ!ずっと同じところに留まってたら見つかっちゃう可能性が高いからね!」
「あははw運がよかったんだよ。運が」
風知はいつも通りの笑顔でみんなに話す。
「……でも、笑い事じゃないわ。あれほどやってはいけないって言ったのに。」
「うん、ごめん。死んじゃった人たちには申し訳ないって思うし、償いもするよ。」
風知がこちらに近づく。だが、雷だけ異変に気がついた。風知が手に持っているものと、風知のさっきの発言…
「来ないでください!」
「ああwごめん。男性恐怖症なんだっけ?w雷には近づかないようにするからさw」
「違います。風知さんが手に持っているものです。それはなんですか。」
雷は、風知の手を指差す。それで麗蘭たちも異変に気付いた。
「何って…刺し身包丁だよ?w持参してきたんだ。護身用的な?」
「貴方が、貴方が小傘さんたちを殺したんじゃないんですか?」
雷は少し震えていた。そのせいで、声までも震えていた。それは、怖いせいなのか、怒りから来ている震えなのか。それとも、お腹の傷が痛かったからなのか。誰にもわからなかった。
「は?w何言ってるの?w」
雷は少し戸惑ってから、こういった。
「タルトさんの死体は追いかけられて見ていませんが、小傘さんの死体は見ました。その時、小傘さんのお腹には果物ナイフが刺さっていましたが、果物ナイフで刺すより深い傷が付いていました。あと男の子が持っていた包丁よりも。……そう、風知さんが持っている刺し身包丁ぐらいの深さでした。だから、小傘さんは自殺したわけでもなく、男の子が殺したわけでもない。あと、ヒスイさんを階段から落としたのも風知さんでしょう?その白いマフラーも見えました。布じゃなくて、マフラーだったんですね。見た時、首元ぐらいにあったと思うし。よく考えてみれば、マフラーをしているのは風知さんだけですものね。それに、私たちは死人が出た。なんて一言も言っていないのに、貴方は『死んじゃった人たちには申し訳ないって思うし、償いもするよ。』と言いました。それは、貴方が殺したから分かっていたんですよね?死人が出たって。」
雷の発言を黙って聞いていた風知が笑い始めた。
「あはははっそうだよ。俺が殺したんだよ。ご名答。すごいね雷は頭が働くねwすっごく羨ましいよ。」
「なっなんで殺したのよ。」
「なんで?あはっwよく犯罪者が言うじゃん。むしゃくしゃしてやったってさwそれと同じだよ。」
クスクスと不気味に笑いながら風知は言う。元のチャラけた風知なんて面影もなかった。
「…じゃあ、なんの罪もない人をむしゃくしゃしたからって理由で殺したわけ?そんなの、許すわけないじゃない!!」
いつも冷静なライラが大声で怒鳴った。その場にいる全員が驚いた。でも、風知はまたクスクスと笑いながら言う。
「何の罪もない?w確かにないけど、俺にとっては、俺より優れているお前らが大っ嫌いだったんだよ!」
「…え?」
「俺より優れて、優しくてムカついた。だから殺した。あははっ」
「そんなこと、誰も思っていませんよ!だって、風知さんは誰よりも運動とか得意じゃないですか!成績だってそんなに悪くはずないのに」
そんなことで殺人を犯す人ではなかったはずだ。少なくとも雷たちはそう思っている。
「……無駄よ。何言っても。狂っているもの。」
「だから、俺より優れているやつは俺が殺す。だからお前らも、今すぐ…」
刺し身包丁を構えて、殺しにかかろうとした瞬間、屋上の扉が開いた。一斉にそちらを見る。そうすると、中から男の子が出てきた。赤い髪の男の子。
ハッピーバレンタイン
「ウルリカちゃん!ウルリカちゃん!バレンタインだよ!バレンタインッデー!!!」
「うるせーですよ。静かにしろですよ。ライア。」
「なに言ってるの!!こういう小説に載るの初めてなんだよ⁉︎もっとテンションあげてこーよー!!」
「メタ発言ですか。」
ウルリカちゃんは部屋に敷いてあるカーペットの上でゴロゴロしてゴマアザラシ状態になっている。可愛いと思う。口調があれだけど…
「俺にチョコくれんじゃなかったのー??ww」
「だれがあんたみたいな嘘つきにあげるんですか。自惚れてんじゃねー。ですよ。」
「ひゃーww冗談だってwwじょーだんっ☆w」
ウルリカちゃんはこちらをじっと冷たい目で見てくる。普通の人の目と違う目。それもそうだ。だってウルリカちゃんは……
「あ…」
ウルリカちゃんがそう声を上げると、彼女は宙に浮いていた。片足を持ち上げられて、逆さまの状態。
ウルリカちゃんはムスッとした顔をしてこういった。
「いたずらしないで。放せっつーのですよ。」
じたばたと暴れているウルリカちゃん。俺にはどうすることもできない。だって、ウルリカちゃんを持ち上げている犯人に触ることもできないし。それに、俺は強化ガラスの向こう側にいる。監視室と言えばいいのかな?
「あはははっww頑張れーw」
「…っ」
ようやく放したみたいで、ウルリカちゃんは地面に着地する。綺麗に着地できたみたいだ。
「やんちゃだねーww君のお友達ww」
「お友達じゃねー。ですよ」
「チョコ作れーってことじゃない?wwwカカオからwww」
「……………そんなに欲しいんだったら、無敵のチートで最高最強可愛い悪魔ちゃんー☆(棒読み)にでももらったらいいんじゃないですか。」
「ぼwうwよwみwwwwあの子ねぇ…昔は可愛かったんだけどねぇww」
そうそう。昔は可愛かったよ。昔は。ここ、大切ね。今じゃ悪魔だし。「悪魔ちゃん可愛いっ☆」とか、「悪魔ちゃんに不可能はなーい☆」とか。なんだよこのキャラは…そんなキャラ、ニジェミールだけでいいよ…。
「…?昔って言うと、知り合いみたいな言い方じゃねーか。ですよ。」
「ん?あー、そうなっちゃうかーwあながち、間違ってないけどね。」
「そうなるとあなた、かなりの年寄りですよね?見た目19歳っぽいですけど。いや、それより下っぽい感じ…」
「なんでだろうねーwおかしいねーwww」
俺が話をごまかすと、ウルリカちゃんは気になったのか、俺の年齢やら、種族やら色々問いただす。
「あなたは一体何者なんですか。」
「にんげーんww」
「嘘つかないでください。」
「嘘つかないと死んじゃうからねwそれは無理な話だなぁwww」
「…………。」
「もー、バレンタイン関係なくなっちゃうでしょー?wイベント楽しいんだからね!!」
「…イベント。」
ウルリカちゃんはポツリと呟いた。
「こーんなジメジメしてそうな部屋に閉じこもってないでさー。お外でよーお外!!!」
「…見張り。」
「ん?」
「見張りがいるんですよ。こんな体質だから、無闇に外なんて出れるはずありませんから。」
俺は、ウルリカちゃんに話しかけるマイクを持ちながら、隣の人を見る。見張りの人がいる。その人は、俺を睨んでいた。俺はその人に笑ってごまかして、ガラスの向こうにいるウルリカちゃんに向き直った。
「んー、そっか。ならしょうがないね。ごめんね。お邪魔しましたー。」
マイクを置いて、ドアを開けて出ようとする。一瞬ウルリカちゃんが悲しそうな顔をした気がした。部屋から出た後、ドアに背を向けながら考える。どうすればウルリカちゃんをここから出して、外に出してあげれるのか…。せっかくの女の子のイベントなのに、あんな部屋で監視されながら過ごすなんて嫌に決まってるよね。
「ううん….あ、嘘をつけばいいんだ。」
俺は、ロビーに行った。ここなら人がたくさんいる。そして俺は大声で嘘をついた。
「あのねー!!この街に、この建物にね!!魔物がたくさん来るみたいだよー!みんな急いで!死んじゃうよー?」
一斉に俺の方を見る。俺につけない嘘はないから、きっと信じるはずに決まっている。いや、絶対に信じる。そうなっているから僕の言葉は。
みんなはざわつき始め、慌ただしく走る。なにか対策を考えているらしい。
俺は、笑ってしまうのを我慢して、ウルリカちゃんがいる部屋に戻る。見張りをしていた人もいなくなっている。チャンスだと思って、監視室のもう一つのドアに手をかけるが、開かない。このドアの向こうにウルリカがいるのに。よく見ると、暗号を打つ場所があった。暗号分からないから、マイクを持ってウルリカちゃんに話しかける。
「ねぇねぇ、君の力でドアを開けて欲しいんだ。外に出たいでしょ?」
「….別に、出たくねーですけど。まぁいいです。」
照れ隠しでそんなことを言っているのはわかる。
バンって音がして、ドアは開いた。そこからクリーム色の髪をしたウルリカちゃんが出てくる。
「早く行くよ!!」
俺はウルリカちゃんの腕を掴んで走って外に出る。ようやく外にでれた。追っ手も来なかった。上手くいったようだ。それから俺たちは、ショコラケーキを作って、二人で一緒に食べた。
「…バレンタインってこんなだったんですか?」
ほっぺにチョコをつけたまま喋っている。ちょっと笑いそうになったけど、堪えた。
「んー?ちょっと違うかもw俺もケーキ作るの手伝っちゃったしw男の子は作らないお約束でしょ?こういうのw」
でも、感謝の気持ちが伝わってればいいかな。逆チョコになっちゃうけどw
「ふーん。まぁ、これもこれで….….悪くねー、です」
ふいっとそっぽを向いた。これも照れ隠し。ちょっと面白いのでからかうことにした。
「照れちゃってるのー?かわいーwww」
「かっ!勘違いすんなですよ!!別に、深い意味はねー…ですよ。」
「はいはいw分かってますってw」
「いや、ぜってー分かってねーです!」
分かるまでけちょんけちょんです。とか言ってまたケーキを食べ始めた。少し俺は笑って、ケーキを食べる。
「なーんて事あったよねーww」
「覚えてねーですよ。」
「覚えてるくせにwww」
「はぁ、私は帰りますからね。」
「うん。じゃあ、またね?」
ウルリカちゃんは後ろを向いて、歩き始めるが、またこちらを向きなおして何かを俺の方に投げてきた。
「….….貴方、全然年取ってねーですね。」
そう言って、走って行ってしまった。投げたものは、可愛くラッピングされた何かだった。手紙も添えてある。
「えーっと?『いつもお世話になってるですよ。とか書くと思いましたか?バカじゃねーのですよ。』….ww」
あまりにもウルリカちゃんらしくて笑ってしまった。昔から変わっていない。
彼女には俺が持っていないものを持っている。仲間というもの。いや、俺にも仲間はいるけど、仲間と言えるのかどうかわからないし。まぁ、いっかこの話は。
そして、ウルリカちゃんとつながっている霊体。悪い霊にならなきゃいいけど。
「….…ハッピーバレンタインか。」
ポツリと呟くと、その言葉は空気中に消えてしまった。
episode3 雷が見たもの
図書室に行く前、雷たちはある人に出会った。ひょこひょこと短いアホ毛が動いている。
「あれ?ヒスイさん…ですか?」
プラチナブロンドのヒスイは雷たちを見つけると急いでこちらに走ってきた。
「むぅっ!私抜きで何か楽しいことしてるー??風知がルンルン気分で家を出て行ったから私も気になって、追いかけてきたの!!!」
のけ者にされてヒスイは少し怒っているようだ。でも、可愛らしい声だから怒っているようには聞こえなかった。
「そんなに楽しいってほどじゃないですよ…お化けとか怖いですし…」
「え⁉︎お化けって聞くとなんか楽しそうじゃん!!」
麗蘭は目を輝かせながら言った。キラキラと真っ暗な学校の辺りを照らしそうな勢いで。
「え…おばけ…?」
ヒスイの顔が真っ青になっていくのが雷にはわかった。
「そうです。お化けです…」
「おっ…おばけやーーっ」
ぷるぷると頭を振ってヒスイは拒絶する。
「ええっ!ヒスイさんってお化け苦手だったの⁉︎てっきり全然大丈夫だと思ってたよー!!!」
「むぅ……」
「じゃあ、せめて一緒に行動しましょう?それだと怖くないですよね?…ここから抜け出せないみたいだし…」(ぼそぼそ
「!」
ヒスイの顔がぱあっと一気に明るくなった。それを確認して雷はにこっと笑った。
「それで、どこ行くのー?」
ヒスイが問いかけると、麗蘭はすぐに答えた。
「調べ物があるから図書室に行こうと思ってるんだー!」
「図書室!じゃあ階段を上がらなきゃ!!」
そう言ってヒスイは階段を駆け上り一気に踊り場まで付いた。さすが運動神経のいい子だ。
「みんなも早くおいでよー!」
ヒスイが言った途端、ヒスイの体は誰かに押され、真っ逆さまに階段から落ちてきた。ガタンバタンドタンと鈍い音を立てて、ヒスイは雷たちのすぐ足元まで落ちてきた。強く打ってしまったらしく、頭からは血が流れ、綺麗なプラチナブロンドの髪の色は赤色に染まっていた。
雷はすぐにヒスイがいた階段の踊り場を見る。そこには黒い人影がいた。だが、雷の視線に気づいてその影は階段を急いで上がって行ってしまった。だけど、白色の布みたいなものがチラッと見えた。その布みたいなものには見覚えがあったが、思い出せなかった。
「ねぇ、ヒスイさん死んじゃった?頭、強く打っちゃったし…」
「あんまり見たくないけど、よく見てください。頭、変な方向に曲がっています。即死ですよ。」
「ゔっ…やだ。もう見たくない。どこかに運んであげよう。人目につかないところ。」
「そう…ですね。」
二人で運んで、階段下の隅に置いてあげた。置いたのはいいが、今にも動きそうで怖くなった。動くとは思わないが、こんな状況だからそう思ってしまう。
「はやく、行こう。怖いし」
「そうしたほうがいいですね。行きましょう。」
「ねぇ、なんでそんなに冷静なの?」
「…え?」
「さっきからさ、冷静すぎない?人が、人が死んでるんだよ?おかしいよ。ねぇ。」
さっきまで元気だった麗蘭なんてどこにもなかった。イラついた口調だった。
「なんでって言われても、冷静でいないと怖くて怖くて、今にも自分自身が壊れそうで…だから無理にでも冷静を装ってるんです。」
雷は少し体が震えていた。それを見た麗蘭は怖いのは自分だけじゃない。と思ったらしく、冷静を取り戻した。
「…そう…だよね。怖いのはみんな一緒だもんね。ごめん、なんか二人も死んじゃったから怖くて、それも今回は目の前で。怖かった。それで雷を責めてた。ごめんね。」
「大丈夫ですよ。さぁ、図書室に行きましょう。」
雷たちは図書室に着いた。新聞の切り抜きの資料を探している。麗蘭が言っていた前の事件とはなんなのだろうか。
「あった!この資料で、確か……あ、これ!!」
ペラペラとめくって開いたページを雷に見せる。雷は本を受け取り、ライトで本を照らし読む。
「学校殺人事件?5人死亡で1人が行方不明…あ、ちゃんと名前まで書いてあります。でも、行方不明者だけ切り取られて読めなくなってる。」
雷はそのページを見て、前のページへ戻る。少しページを進めていくと、また同じ事件があった。
「この事件、結構昔にもあったんですね。」
「そうなんだよー。なんかこの事件と今、似てるなーなんて思ってさ。だって、死人だって出てるしそれに学校だし…」
「そういえば、ライラさんってこのゲームを実行するときにすごく止めていましたよね?この事件と関わりがあるんじゃないかなって思うんですが…」
「確かに、必死だったもんね。結局ついてきちゃったみたいだけど…」
「ライラさんを探してみましょうか。この学校広いから、探すのに時間がかかりそうですけど…」
「そこはしょうがないよ。じゃあ行こうか。」
麗蘭は図書室のドアを手にかけて開けた。その目の前に、俯いているタルトがいた。タルトの手には雷が作ったぬいぐるみを持っていた。
「あ!タルトさん!何処に行ってたんですか?探してたんだよー?」
だが、様子がおかしい。返事がなくただ俯いてるだけだった。ふらふらともしている。不気味な感じだった。
「あっあの…?タルトさん?」
雷が話しかけると何かぶつぶつ言っている。耳をよく済ませても全然わからない。
「……ん…った。……た……て………ら。」
「えっと……?」
「待ってよ。置いていかないでよ。みんなで一緒に行動したほうがいいだろ?」
「そうですよね。一緒にいた方が安全ですよね。」
「待って雷。まだタルトさん俯いたままだからおかしいよ。」
「ははは。……俺、死んじゃったんダ。助けテくれなかっタからサ」
明らかに声がおかしかった。二人は怖くなってその場を立ち去った。だが、頭から血を流しているタルトが雷たちを追いかける。雷は失神しそうになったが、今ここで倒れてしまったら…もう後がないだろう。教室に入り、麗蘭は教卓の下、雷はロッカーの中に隠れた。少し時間が経ったら、ドアが開く音とタルトの声がした。
見つかりませんようにと二人とも祈っていた。机が倒れる音がしたり、タルトの笑い声が聞こえたりしていて、雷はとても怖がっていた。そしてロッカーの近くで足音がする。タルトはロッカーの前に立ち止まった。外からこちらの様子を伺っているように雷は思えて、叫びそうになる声を必死に我慢していた。ただ、うずくまって震える肩を手で押さえていた。だが、タルトは中を確認しないで、教室から出て行った。ほっとした雷は深呼吸をした。そして、ロッカーの中から出ようとするとガタガタとロッカーが揺れた。誰かが揺らしているようだ。雷は小声で悲鳴を出してしまい、揺らしていた人物に気づかれてしまったのか、ロッカーの揺れが止まった。少しづつロッカーの扉が開く。タルトが戻ってきたのかと思ったが、目の前にはタルト……じゃなく誰かだった。暗くてよく見えないのだ。でも、タルトじゃない。その人影は雷をロッカーから出すと体を押さえつけて、鋭い刃物で雷に向かって刺そうとする。
「あ…」
雷が最後に見たものは、鋭く先が尖っていて、とても長い刃物だった。そして、雷が感じたものは、とてつもない耐え切れないほどの強い痛み。
嘘つき少年
「有能な俺が未公開キャラとか本当に頭おかしいよね。しろやぎってさー。」
くろやぎ「いや。あの…しろじゃなくて、くろやぎなんですが…」
「お腹まで真っ黒な腹黒くろやぎちゃんだってぇー??ww」
くろやぎ「ぐっ…なにも言えない。」←
「くろやぎは歌に出てくるくろやぎらしく、お手紙でもムシャムシャ食べて、手紙送り返して食べられてー。の繰り返しでもしてろよ。」
くろやぎ「無限ループって怖いよね。」
「まぁ、そんなことどうでもいいんだけどね。さぁ、自己紹介…………しなーーい!!!」
くろやぎ「いや、しろよ⁉︎」
「なんつってなんつってーwうそうそw」
くろやぎ「…めんどくさいやつだから非公開キャラにしてたんだけどな…」
「まぁまぁそう言わずにぃー!俺とは短い仲じゃないかー」
くろやぎ「結構長い付き合いですが…。」
「どうでもいいやそんなことwじゃあ自己紹介しまーす!」
オリキャラバトン (42問)
→答えは、オリキャラになったつもり(口調など)でお答えください♪
指定:ライア
■名前
「ライアライアー。ライアでーす」
■フリガナ
「んとねー。らいあ。これでいい?w」
■年齢
「んー?19歳ぐらい?」
■身長
「170cm以上ーw」
■血液型
「AB型」
■出身地
「どっこだろうねぇー」
■種族
「種族ぅー?さぁーてねぇー。人間じゃないー?」(嘘
■職業
「んむむむ…難しいかなw」
■使用武器1
「銃」
■使用武器2
「銃しかないよーw」
■名前の由来を教えてください。
「え?嘘つきだからじゃない?w」
■一人称は何ですか?
「俺ー!」
■二人称、相手のことを何と呼びますか?
「えー?〇〇くん/ちゃんとか?w」
■どんな髪型をしていますか?
「すげー髪の毛跳ねてる。」
■肌の色は何色ですか?
「普通。」
■髪の色は何色ですか?
「きーんーぱーつぅーで緑色のメッシュ入ってる」
■目の色は何色ですか?
「きぃーいーろぉー」
■身体的特徴を教えてください。
「髪の毛が跳ねてるところ?w」
■過去に大きな病気や怪我はありますか?
「ないなー。多分w」
■家族構成は?
「どうでしょうね?」
■戦い方のスタイルを教えてください。
「ばーんってどんどん撃っちゃうよー」(嘘
■戦うのは好きですか?
「まぁまぁ。」
■体力、力、防御力、魔法力、素早さ。1番自信があるのは?
「んー、嘘つくことかな。」←
■男性の好みのタイプは?
「面白い人w」
■女性の好みのタイプは?
「こっちも面白い人w」
■苦手な男性のタイプは?
「……んー、特にはw」(嘘
■苦手な女性のタイプは?
「特にいないよーw」(嘘
■好きになったらどういう行動に出ますか?
「ハートを撃ち抜いちゃうぜっwなんつってーw」
■何フェチですか?
「なんだろーwしらなーいw」
■好きな食べ物は?
「グレープフルーツw」(嘘
■苦手な食べ物は?
「マカロンw」(嘘
■よく飲む飲み物は?
「んんん…お水?」
■どんな本を読みますか?
「本?絵本とか?w」(嘘
■好きな季節は?
「んー、冬ぅ…」(嘘
■趣味は何ですか?
「趣味?人間観察。」
■簡単に自分の履歴を述べてください。
「履歴かぁ…。おっぼえってなーいw」(嘘
■自分の性格を一言でいうと?
「めっちゃ真面目!!」(嘘
■自分の周りで愛用暦の長いものは?
「銃とか愛用歴長いなー」
■もっとも自分らしい台詞はどんなものですか?(話の中などで)
「嘘つくこととか?」
■あなたのイメージソングは何ですか?
「イメソンかぁ…心做しかなぁ」
■最後に一言お願いします。
「ありがとねんー」
■回す人
誰でもどうぞ
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このバトンのURL:
バトン置場の『バトンランド』:
くろやぎ「因みに声は、声優さんのKENNさんのイメージです」
「今思ったけどさ、腹黒やぎってさ、『ら』のつくオリキャラ多いよねー。」
くろやぎ「腹黒やぎってなんやねん…。確かに多いねww」
「なんで多いのー?めっちゃ気になるわー。」(嘘
くろやぎ「嘘つかなくてもいいぞwなんかね、『ら』の発音好きなんだよね。だから多くしちゃうのかも」
「ほうほう!!あとさ。俺が嘘つくとさ、『(嘘』っていらない気がするんだよねー。嘘ついてる意味がない!!」
くろやぎ「ややこしくなるからわざわざつけてやったんだよ。なり茶とかでは使わないと思うけど…」←
「わーっ余計なお世話っ」(にこにこ
くろやぎ「うぜぇ…」
「うざい?褒め言葉ー!!…っていう人多いよねww」
くろやぎ「ライアにとっては褒め言葉じゃないの?」
「褒め言葉じゃないよ。むしろ嫌い。大っ嫌い。だからあんまり言わないでね。」
くろやぎ「うん。なんかごめん…」
「じゃあじゃあ、みなさん!ライアよろしくねー!!」
くろやぎ「変なやつで、めんどくさいやつだけどね。仲良くしてくれると嬉しいな。」
「じゃあ俺は大好物のマカロン食べてくるー!!」
episode2最初の犠牲者
雷の悲鳴が聞こえたところへ急いで走っていく風知。
「なっなにがあったんだ⁉︎」
雷は窓の外を震える指で指した。そこには逃げている小傘がいた。だが、正門に向かって走っていない。誰かに追いかけられて走っているような気がした。よく見ると、小学生ぐらいの男の子がぬいぐるみの横に置いていた刃物、包丁を持って、小傘を追いかけていた。
「やっやだ!ボクまだ死にたくない!」
咄嗟に動いたのは風知だった。窓から外に出て、そこらへんにあった石を投げ男の子の注意をひく。男の子はすぐに風知をみた。
「こっち!こっちだよ!」
そう言うと男の子はすぐに風知を追いかけた。雷はそれを震えながらみることしかなかった。小傘はどこかに逃げてしまったようだ。
少し時間が経ってから、雷は窓から顔を出して、外の様子を伺った。誰もいないことを確認して外に出る。足が震えてうまく歩けないが、なんとか正門の前まで歩けた。正門は閉まっていた。
「あれ、私たち開けっ放しで来たはずなのに…」
そんなに高くない門だったから、よじ登ってすぐ出ることができた。着地をして、下に向けていた視線を前に移すとそこは、正門の前だった。
「…え?私、ちゃんと越えたはず…」
恐る恐る後ろを振り返ると、見慣れた学校の昇降口があった。
ライラが言っていた、ここから出られないと思う。と言うのは当たっていた。雷は叫びたくなる気持ちをぐっと抑えた。叫んだら幽霊に自分の居場所を教えているものと同じだから。それでも諦めきれなくて、何回か正門を越えたが、結果は同じだった。
諦めて、学校に隠れていようとしたところにさっきの男の子がいた。見つかってしまった。逃げなきゃと思っていたが、怖くて足がすくみ、上手く走れなかった。男の子は少しづつ逃げる雷を横目にこう言った。
「……探して。」
それだけ言って何処かへ行ってしまった。雷はほっとして力が抜け、その場に座ってしまった。
「探して?何を?…どういう意味だろう。あ、夜明けまであとどれくらいなのでしょうか…」
雷は腕時計を確認した。確かここに来てぬいぐるみを置いたのが午前2時って言っていたはずだ。さっきから10分ぐらいは経っているだろう。だが、雷は時計を見て固まってしまった。
「…午前2時…止まってる?…壊れただけだよね。」
そう言って、急いで学校の中に入り教室の時計を確認する。だが、そこでも午前2時で止まっていた。雷は頭がクラクラしたような気がした。気絶しそうになったが、ここで倒れてしまったら永遠の眠りについてしまうかもしれないということが頭をよぎって、気絶できなかった。
「とりあえず、捕まらないように逃げなきゃ。」
小傘は倉庫に隠れていた。さっき見た男の子が頭から離れられない。無表情で自分を殺そうとしてきた子のことが。
「うぅぅ、帰りたい。ここ埃っぽかった…出るにも怖くて出れないし…」
いつもの星マークとか音符マークのつく明るい感じのトーンではなかった。恐怖でそれどころではないからだ。
ガチャと誰かがドアを開けた音がした。小傘はびっくりして身を縮こまらせ隠れていた。でも、誰だか確認したくて物と物の間から除く。月明かりがその正体を明らかにした。小傘は安堵の表情を浮かべた。
「…とりあえず、隠れられそうな倉庫にきてみましたけど…誰かいるのかな?」
雷はそっとドアを開けて中を確認するが、ちょうどお月様が雲に隠れて薄暗く、よく見えない状況だった。
「んんん…見えない。あ!そういえばライト持ってきたんでした。」
バックの中からライトを持ってきて、遠くの方を照らしながら前に進んだ。
「…?…なんか生臭いような…。⁉︎何か踏んだ!」
急いで足元を照らすと、誰かの手を踏んでいた。服の袖からして小傘だろう。少しホッとした雷。でも、すぐに異変に気付く。なぜ倒れているのか。急に怖くなり、ゆっくりと小傘を照らす。
「ひっ⁉︎」
そこには、仰向けになってお腹に果物ナイフが刺さっており、血を流して死んでいる小傘がいた。このナイフは小傘が持ってきて、ぬいぐるみの横に置いていたナイフだ。
「小傘さん⁉︎」
体を揺らすがなんの反応も起こさない小傘。ただ虚ろな目が雷だけを見つめていた。
「なんで、小傘さん…はぅ…。あの男の子がやったのかな…?……あれ?」
死体をよく見たくなかったが、異変に気付き見てしまう。
「ごめんなさい小傘さん、ちょっと失礼します。」
ハンカチで果物ナイフを引き抜いた。あっさり取れてしまった。傷跡を見ると果物ナイフで刺すより、深い傷ができていた。
「おかしい、果物ナイフより深い傷ができるなんて…どういうこと?」
考えていたら、ドアの近くから声が聞こえた。
「雷、それって…」
「はい。あの男の子にやられたかもしれないんです。」
「小傘さんも?」
「もって言うと…?」
「実はタルトさんと一緒に行動してたんだけど、あの男の子が出てきて、タルトさんが一目散に逃げちゃって…それから行方がわからないままなんだ。死んじゃったかどうかわからないけど…。こういう時はみんなでまとまって行動するべきだと思うんだ。」
「そうですね。じゃあ、タルトさんを探しに行きましょうか。」
雷がゆっくりと立ち上がる。そして、小傘の前で十字を切った。
「あの、その前に行きたいところがあるんだ。」
「なんですか?」
「図書室。この事件、前の事件と似てる気がしてさ。図書室の新聞の切り抜きで見たことあるんだ。だから、確認したいなって。」
「前の事件?…いいですよ。行きましょう。」
雷たちはその場をあとにし、図書室へ向かった。